
・小学校4年生ですが、歯列矯正の治療はできますか??
答え
治療は十分に可能です。これから大きく成長するお子さんへの歯列矯正の治療は、成人に対するものとは少し異なります。成人の場合は、骨の成長が終了しているため、前回紹介したように、小臼歯を抜歯することによって、前歯をきれいに並べるスペースを確保することが多いです。それに対し小児の場合は、骨の成長を考慮して適切な治療を行えば、永久歯の抜歯をすることなく歯列を整えていくことが可能となります。受け口の場合、上下の顎(あご)の成長のバランスが崩れて、上顎の成長が遅れ気味になっています(1,2,3)。そこで上顎の成長を促しながら、上下のバランスを整えていく装置を口の中に入れていきます(4,5,6)。これは取り外しが可能です。食事やスポーツ、音楽の授業で笛を吹いたりする時にははずしても結構です。ただし、それ以外は寝ているときも装置を入れていただきます。装置が入っている時間が長いほど効果がでます。途中何回か装置を交換しながら治療を進めます(7)。最終的に乳歯が全部永久歯に替わった頃、必要があれば前回紹介したワイヤーを用いた方法で歯列を整えていきます。今回はまだ乳歯が残っていますが、受け口は治っています(8,9,10)。個人差はありますが、今回紹介した治療法では、ほとんど同時に舌の位置も理想的になります。これは直接審美面には関係しませんが、口が開いたままの口呼吸の改善ができるケースも多く、専門的には自然成長誘導法と呼ばれています。
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