・「自然成長誘導法」について詳しく知りたいのですが??

答え

「自然成長誘導法」はイギリスのジョン・ミュー先生が提案した治療法で、成長期のお子さんの顔全体の成長を正しく誘導するための科学的な方法です。その目標は、成長期に生じるさまざまな障害を予防して、生涯に最良な歯並びをお子さんに授けることにあります。曲がった方向に歯があるということは、顎(あご)が不正に成長していることを示しています。やがて、それは顔の形に影響してきます。成長期のお子さんの骨は大変柔らかく、頬や唇の筋肉が緊張することでも、骨の発達にいろいろな影響を及ぼします。これらの筋肉の過度な緊張は、歯を支えている骨のゆがみを生じさせます。結果として歯そのものが傾いたりすることになるのです。従来の小児の歯列矯正治療では、頬の発達がほとんど終了する「11歳以降」に行っていました。乳歯の生え替わりが終わり、全体に永久歯になっていて、歯列不正がある場合の歯列矯正は以前にも話しているように、抜歯を行い歯を並べるスペースを作り、歯列を整えていきます。しかし、今回説明している「自然成長誘導法」は、文字通り顔面の成長を自然誘導していき、不正咬合(こうごう)および顔貌(がんぼう)の改善を図るものです。そのために「バイオブロック治療システム」と呼ばれる装置を用います。これは、生体の成長発育を重視し、そのメカニズムを最大限に応用した合理的な矯正方法の一つです。以上の治療法を早い時期に開始して、成長の改善ができれば、永久歯を抜歯して行う歯列矯正を避けることができます。この続きは次回お話しします。