・『自然成長誘導法』についてもう少し詳しく知りたいのですが。

答え

前回の続きです。今回は『自然成長誘導法』の歯列矯正法以外の効果についてお話しします。お子さんは皆、魅力的な顔になるための可能性を持っています。そのキーポイントとなるのが、顎(あご)の成長方向です。前方(水平方向)に発育する顔はきれいな歯列になりますが、下方(垂直方向)に発育する顔では“乱ぐい歯”の歯列不整が多く見られます。『自然成長誘導法』は顎の発育方向を前方へ促し、きれいな歯列を確保します。さらに、このほかにも目に見えない大きな効果を示します。最近、普段から口をポカンと開けているお子さんを見かけませんか。これは口呼吸をしているため。顎が下方に成長すると、舌の位置も後ろに下がり、口が開きやすくなります。結果として口呼吸の傾向が強くなるのです。口呼吸は鼻呼吸と違い、鼻の中にある毛のフィルターを通過せず、直接空気が入ってしまいます。そのために、扁桃腺(へんとうせん)を含めたのどの病気(アレルギー疾患も含む)にかかりやすくなります。顎が前方に成長できれば、気道と鼻腔の空間を確保でき、舌が前方に出るスペースができます。これによって、自然に鼻呼吸ができるようになります。『自然成長誘導法』では、大きな装置を口の中に入れなければならないので大変です。しかし、多くの患者さんは、この治療法を知らないようです。単なる歯列矯正に留まらない『自然成長誘導法』の知識を、ぜひ皆さんに持っていただきたいと思います。